省エネ
油圧機器の省エネルギー化は、産業分野におけるエネルギー消費削減と環境負荷低減の観点から重要な課題となっています。
従来の定吐出ポンプシステムから制御システムを備えた油圧ユニットへの移行が進む中で、様々省エネ手法が開発・実用化されています。
古い設備に付属する油圧装置では、定吐出形のポンプを搭載し常時電動機を回転させて使用している事があり、
車のアイドリングストップの様に出来るだけ必要な時に必要な量だけ仕事をするように省エネ化を図ることが可能です。
使用機器の省エネ化
・可変容量ポンプの採用
定吐出ポンプでは、シリンダが動作していない待機時にも常時最大流量を吐出するため、無駄なエネルギー消費が発生します。
これに対し可変容量ポンプは、負荷圧力に応じて吐出量を自動調整する機構を備えており、特に保圧が必要な用途において省エネ効果を発揮する事ができます。
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・インバーター駆動システムの採用
可変容量形に変更した場合でも電動機はとめない限り回転したままとなります。
インバーター制御を油圧ユニットに導入することで、電動機回転数を負荷要求に応じて
落とすなど調整することで、従来の制御に比べ、保圧する際などのさらなる効率改善が期待できます。
ただし用途により効果に差があるため用途の詳細な検討が必要です。
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・ハイブリッド油圧システムの採用
ACサーボモータで油圧ポンプを駆動し、必要な時に必要な分だけ圧力・流量を発生させる
方式の機器を使用することで従来のバルブ制御が不要となり、高効率化を図ることが可能です
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・低消費電力ソレノイドバルブの採用
従来のソレノイドバルブを低電力型に交換するだけで、消費電力の削減が可能です。
また連続通電時のコイル温度を低下させ、周辺部品の熱劣化を抑制する効果も期待できます。
ただし使用圧力等に制限があることも有るため、採用には詳細の検討が必要です。
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システム上の省エネ化
・アキュムレータを使用する
短期間の圧力保持が必要な用途では、アキュムレータを併用することでポンプの間欠運転が可能となります。
用途により 効果の有無を検討する必要があります。
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省エネ化のメリット
省エネ化を行うことで、運転時に発生する熱損失の発生量も少なくなり、消費電力以外にも下記のようなメリットが出てきます。
・タンク容量・油量が少なくても温度が上がりにくく、コンパクトに出来る
・作動油の廃棄量が減る
・冷却用のオイルクーラーを省く、または小さく出来るのでコストダウンになる
・油温上昇が少なくなり、作動油自体の劣化・機器に使用されているパッキンやシール材の劣化を抑制できる
・熱発生を抑えることで夏場の空調などの電力使用を抑えられる
・回転数が下がることで発生する音が小さくなる